痛くもかゆくもないのに、なぜ足裏の皮がボロボロむける理由が存在するのでしょうか。足底の皮膚は他の部位と異なり、厚い角質層と豊富な汗腺を持ち、皮脂腺が存在しないという特殊な構造をしています。そのため、バリア機能の破綻や微生物の感染が「かゆみ」という自覚症状を伴わずに進行するケースが珍しくありません。臨床現場で頻繁に特定される足の裏皮がむける原因は、主に以下の4つに分類されます。
第1の原因は、水虫の一種である角化型水虫(角質増殖型白癬)です。かかとを中心に皮膚全体が厚く硬くなり、白く粉を吹いたように皮がむけます。水虫菌(白癬菌)が炎症反応の起きにくい厚い角質深層に寄生するため、かゆみを引き起こすヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されにくく、ほぼ無症状のまま経過します。
第2に挙げられるのが、汗疱状湿疹(異汗性湿疹)の経過段階です。春から夏にかけて、あるいは多汗症傾向のある足裏や指の腹に、1〜2ミリの小さな水疱が多発します。水疱ができる初期段階では軽いかゆみを感じることもありますが、水疱が乾燥して薄皮がリング状やシート状にむける段階になると、かゆみは完全に消失します。「皮がむけている現在」だけを見ると、全くかゆくないため見落とされがちです。
第3は、10代から30代の若年層や発汗の多い人に好発する剥脱性角質溶解症(はくだつせいかくしつようかいしょう)です。手のひらや足裏の角質がコイン状や環状に薄く剥離する良性の皮膚疾患で、炎症や水疱を伴わないため、かゆみも痛みも一切ありません。多汗や靴内の蒸れ、摩擦が引き金となって発症します。
第4の原因は、慢性的な摩擦やターンオーバーの乱れ、そして掌蹠角化症(しょうせきかくかしょう)や極度の乾燥です。皮脂膜が存在しない足裏は水分が蒸発しやすく、過剰な摩擦刺激が加わると角質が防御反応として肥厚し、やがて柔軟性を失ってひび割れや皮むけを引き起こします。