『笑点』の歴史を語る上で欠かせないのが、番組の舵取りを担ってきた司会者の交代劇です。初代の立川談志が立ち上げた当初のコンセプトは、「落語家によるブラックユーモア溢れる知的演芸番組」でした。しかし、談志が目指す前衛的な笑いと、回答者陣が求めた親しみやすい大衆演芸路線が衝突。メンバー全員がボイコットする事態に発展し、談志はわずか3年半で番組を去ることになります。
その後、前田武彦、そして昭和のお茶の間を沸かせた三波伸介の急逝を経て、1983年に就任したのが五代目三遊亭圓楽でした。五代目圓楽は23年間にわたり司会を務め、番組を「日曜夕方の擬似家族」とも呼べる温かなホームドラマ的空間へと昇華させた最大の功労者です。
2006年、脳梗塞などで体調を崩した五代目の後を継いだ桂歌丸は、回答者時代からの代名詞であった「毒舌と気品」を司会席に持ち込み、メンバーの個性を最大限に引き出しました。そして2016年、番組50周年の節目に指名されたのが春風亭昇太です。当時56歳という若さでの抜擢は異例と騒がれましたが、大御所たちにいじられながらテンポよく進行するスタイルは、結果として番組の高齢化イメージを払拭し、長期的な延命に決定的な役割を果たしました。