「物が当たったわけでもないのに、なぜ窓ガラスにヒビが入るのか」という疑問に対し、ガラス工学の観点から導き出される窓ガラスヒビ原因の大多数が熱応力(サーマルストレス)です。これが一般に窓ガラス熱割れ理由と呼ばれる現象の根幹にあります。
太陽光が窓ガラスに照射されると、日光を直接受けるガラスの中央部分は急激に熱を吸収して膨張します。一方で、窓枠(サッシ)の内部に埋め込まれているガラスの端部は直射日光が当たらず、放熱もスムーズに行われるため低温のまま留まります。この結果、外側へ広がろうとする中央部と、それを押しとどめようとする端部との間に強い引張応力(引っ張る力)が生じ、ガラス自体の許容強度を超えた瞬間に亀裂が走る仕組みです。
熱割れによるヒビには明確な特徴があります。ガラスの縁からフレームに対してほぼ直角(90度)に1本から2本のヒビが入り、そこからガラス中央部に向かって不規則に枝分かれしていきます。飛び石や衝突による破損のように「打撃点(中心のクレーター)」が存在しないことが、熱割れを特定する決定的な物的証拠となります。