ネット上の育児情報において散見される誤解の一つに、「新生児のうちから朝夜の生活リズムを教え込まないと、夜泣きがひどくなる」という言説があります。しかし、発達小児科学の観点から見れば、これは明確な誤解です。
生後すぐの赤ちゃんには、朝の光で起き、夜の暗闇で眠るための概日リズム(サーカディアンリズム)が備わっていません。体内時計が成熟し、昼夜の区別がつき始めるのは早くても生後2〜3ヶ月以降です。新生児期に無理に大人の生活リズムを押し付け、昼間に起きていさせようと刺激を与えすぎることは、赤ちゃんの神経を過度に興奮させ、かえって睡眠障害や不機嫌を引き起こす原因になります。
また、生後1ヶ月を迎える頃から睡眠パターンに変化が現れることも知っておく必要があります。生後1ヶ月を過ぎてもずっと寝ている場合、単に体力がついて1回の哺乳量が増え、満腹感が持続しているポジティブな理由であることも多い反面、周囲への追視や微笑み反応が全く見られない、手足の突っ張りが強すぎる、あるいは逆に全身がフニャフニャしているといった神経症状が隠れていないかの確認が欠かせません。