犬の皮膚にカビが感染した場合、初期段階ではわずかな赤みや細かいフケとして現れるため、ブラッシング時に「少し皮膚が荒れている程度」と見過ごされがちです。しかし、感染が進むにつれて明確な病変パターンを形成し始めます。
犬の真菌感染症で最も警戒すべき初期症状と症例ごとの視覚的特徴は以下の通りです。
- 境界線がはっきりした円形脱毛:コインのように綺麗な円形〜楕円形に毛が抜け落ち、中心部から外側に向かって脱毛斑が同心円状に拡大します。
- フケとかさぶた(痂皮)の集積:脱毛した患部の周囲や毛の根元に、白〜灰白色の細かいフケや分厚いかさぶたがこびりつきます。
- 皮膚の黒ずみ(色素沈着)と肥厚:慢性化すると皮膚が象の肌のように硬くゴワつき、黒褐色に変色します。
- 特有の発酵臭・油っぽさ:皮脂の分泌が異常に増え、患部を触るとベタつき、独特の酸っぱい臭いや脂っぽい体臭が漂います。
臨床の現場で犬の皮膚トラブル症例写真を精査すると、被毛が途中で折れて抜け落ちる「皮膚糸状菌症」の病変部と、皮脂の多い間擦部(脇の下や指の間)が赤く爛れる「マラセチア皮膚炎」の病変部では、皮膚表面の質感が根本的に異なることが確認できます。