太陽の運行をもとに一年を24等分した二十四節気の漢字と意味には、古代から培われた気象と農耕の知恵が凝縮されています。「立春」「春分」「夏至」「秋分」「冬至」といった代表的な節目はもちろん、「雨水(雪が雨に変わり氷が解ける)」「芒種(稲などの種をまく)」「処暑(暑さが和らぐ)」「霜降(霜が降り始める)」など、文字を見るだけでその時期の空気感が鮮明に伝わってきます。
さらに二十四節気を約5日ごとに細分化した七十二候の漢字表記は、もはや詩的な美しさの領域に達しています。例えば春の初めを表す「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」や「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」、晩夏を告げる「涼風至(すずかぜいたる)」、初冬の「地始凍(ちはじめてこおる)」など、動植物の細やかな変化や風の匂いまでもが漢字の連なりによって描き出されています。