大手医療口コミサイト「QLife」に蓄積された呼吸器科関連の口コミ・評判17,156件をはじめ、SNSや医療相談掲示板などを精査すると、患者が直面する過酷な実態が浮き彫りになってきます。なかでも圧倒的に多いのが、「風邪の後、2カ月間も咳が止まらず肋骨が痛むほど苦しんだ」「3軒の内科を回って抗生剤を変えられたが全く良くならず、専門クリニックで吸入薬を出されたら3日で改善した」という証言です。
こうした事態が頻発する最大の要因は、現代の長引く咳の代表格である「咳喘息(Cough Asthma)」の見逃しにあります。咳喘息は、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)がなく、乾いた咳だけが数週間続くのが特徴です。胸部レントゲンや聴診器では異常が検出されないことが多いため、一般的な内科では「風邪の治りかけ」や「咽頭炎」と片付けられてしまいがちです。
専門医のもとを訪れた患者の体験談には、次のような生々しい観察が記録されています。
「最初のクリニックでは喉をちらっと見て『アレルギーでしょう』と抗ヒスタミン薬を出されただけでした。夜も眠れずに仕事にも支障が出て、専門医のいるクリニックへ足を運んだところ、問診表の段階で『冷たい空気を吸った時や会話中に咳が出ないか』『家族にアレルギー体質の人はいないか』と細かく聞かれました。呼気NO検査で気道の炎症値が基準を大幅に超えていることが判明し、吸入ステロイド薬が処方されたその日から劇的に咳が治まりました。あの2カ月間の苦しみは何だったのかと愕然としました」(30代会社員・男性の手記より)
咳喘息は適切な抗炎症治療を行わなければ、約3割が本格的な気管支喘息へと移行するとされています。つまり、初期の段階で「呼吸器専門医の選び方」を誤ることは、将来的な慢性呼吸器疾患のリスクを抱え込むことと同義なのです。