白点病の治療法はどの魚でも同一ではありません。生体の生理的特徴や薬品耐性に応じた微調整を怠ると、寄生虫ではなく投薬ショックによって愛魚を死なせてしまう結果を招きます。
メダカ:屋外から屋内への移動期に注意、塩浴+アグテンが王道
メダカは水温適応能力が高く、高水温(28〜30℃)や0.5%塩浴に対して非常に強い耐性を持っています。春先や秋口、越冬前後の水温差で発症することが多く、見つけ次第「0.5%塩浴+規定量のアグテン(またはメチレンブルー)」の組み合わせで速やかに治療します。屋外飼育でグリーンウォーター(青水)化している水槽では、植物プランクトンが薬効成分を吸着・分解してしまうため、透明な飼育水を入れた別容器に隔離して治療するのが鉄則です。
金魚:高水温への過信は禁物、エラと浮き袋の異変を監視
金魚(特にランチュウ、ピンポンパール、出目金などの丸手品種)は水温急変に敏感です。白点病対策として30℃近くまで一気に加温すると、転覆病(浮き袋の異常)を併発したり、エラ病を悪化させて命を落とす危険があります。金魚に対する加温は28℃程度を上限とし、時間をかけて昇温してください。金魚は塩浴との相性が抜群であるため、まずは0.5%塩浴を実施し、症状の進行度合いに応じてグリーンFリキッドまたはアグテンを併用します。
熱帯魚:カラシンとナマズ系・古代魚でプロトコルを分ける
ネオンテトラやカージナルテトラなどの小型カラシンは白点病にかかりやすいものの、熱帯魚用の規定薬量に耐える体質を持っています。しかし問題は、コリドラス、オトシンクルス、プレコなどのナマズ系底生魚や、アロワナ・ポリプテルスなどの古代魚です。
これらの魚種は皮膚のウロコが退化していたり、粘膜が非常にデリケートであるため、メチレンブルーやマラカイトグリーンなどの色素剤・化学薬品を急速に吸収し、薬物中毒死を起こすリスクが極めて高くなります。ナマズ系や古代魚が同居する水槽で白点病が出た場合は、「規定薬量の1/3〜1/2の低濃度」から慎重にスタートさせるか、安全性の高い0.3〜0.5%塩浴を中心とした緩やかな治療を選択しなければなりません。