日本のバッグシーンにおいて、圧倒的な存在感を放ち続けているのが株式会社吉田である。創業者の吉田吉蔵が掲げた「一針入魂」の精神は、職人が一つひとつの縫製に妥協しない姿勢として、今なおブランドの骨格を支えている。
その真骨頂とも言えるのが、1983年に登場したPORTERの「タンカーシリーズ」だ。米空軍のフライトジャケット「MA-1」をモチーフにしたナイロンツイル生地は、軽く、柔らかく、そして驚くほど頑丈である。この独自の3層構造生地を使ったボストンバッグは、ビジネスマンからトラベラーまで幅広く愛され、日本の職人技が世界に誇るスタンダードとなった。使い込むほどに味わいが増す質感は、大量消費時代に対する究極のアントテーゼとも言える。