映画情報サイト「Filmarks」や各種レビュープラットフォームにおいて、本作は★3.8〜4.0前後の高評価を維持し続けています。しかし、その感想の多くは「傑作だが二度と観られない」「精神を削られるような痛切さ」という、極めて重い心理的負荷を伴うものばかりです。
批評家筋から圧倒的な支持を集めたのは、事件そのものの猟奇性を煽るような扇情的な性暴力描写を排し、事件によって日常とアイデンティティを破壊された少女の内面描写に徹底してカメラを向けた点です。イ・スジン監督は、被害者の痛みを搾取するような露悪的アプローチを避け、過去のトラウマが突発的なフラッシュバックとしてゴンジュの現在を侵食していく構成を採用しました。
主演のチョン・ウヒが見せた演技は、韓国映画史に残る名演として語り継がれています。怒りや悲しみを激しく喚き散らすのではなく、感情を押し殺した無表情な瞳の奥に滲む怯えと、それでも友達と笑い合いたいと願う年相応の無邪気さ。そのコントラストが、観る者の胸を締め付けます。第18回釜山国際映画祭の市民評論家賞やロッテルダム国際映画祭のタイガー・アワードを受賞した実績は、単なる告発映画を超えた芸術的強度の高さを世界が認めた結果といえます。