視覚的演出において、米津玄師は自らの身体を最高の表現媒体として機能させている。「KICK BACK」のミュージックビデオで見せた圧巻の肉体美と破天荒なカメラワークは、破壊的でありながらどこか艶やかな美しさを放っていた。一方、「さよーならまたいつか!」では、しなやかな身のこなしとレトロな色彩感覚が見事に融合し、軽やかさの中に大人の色気を漂わせている。
さらにライブステージにおける照明演出の冴えも見逃せない。アリーナやスタジアムの大空間であっても、過剰な特効に頼るのではなく、ピンスポットの単色光やシルエットを強調する影の計算によって、彼の存在感そのものを際立たせる。闇から浮かび上がる長い手足が生み出すドラマチックなポージングは、まるで一枚の絵画のようだ。動と静、光と影の緻密なコントロールが、観客を現実から遠く引き離す没入感を作り出している。