凶悪事件の実行役として冷酷無比な顔を見せた李正則受刑者ですが、その生い立ちもまた極めて複雑で過酷なものでした。幼少期に両親の不和や家庭崩壊を経験し、温かな家庭環境に恵まれないまま育った経歴を持っています。少年期には非行に走り、暴力団関係者との接触を持つなど、社会の周縁で荒んだ生活を送っていました。
そんな孤立無援の彼に目をつけ、居場所を与えたのが角田美代子元被告でした。行き場を失っていた青年期の李受刑者にとって、金銭を与え、自分を必要としてくれる角田元被告の存在は絶対的なものとなっていきました。かつての顔写真に見られる刺青や威嚇的な容貌は、自らの弱さや孤独を覆い隠すための武装であったとも語られています。
法廷での証言によれば、私生活では情に脆い一面や小心な性格を見せることもあったとされます。しかし、角田元被告という触媒と暴力団的な掟が支配する閉鎖環境が、彼の暴力性を最悪の形で開花させ、凄惨な連続殺人へと直走らせる結果となりました。