『ドラゴンボール超』の終盤から現在にかけて、悟空の最高到達点となった「身勝手の極意」。この神の領域と界王拳を比較すると、悟空という武道家の思想的な進化が鮮明に浮かび上がります。
界王拳と身勝手の極意の違いを端的に言えば、「肉体への強制的な負荷によるパワーの倍加」か、「意識と肉体を切り離した完全なる自律行動」かという点にあります。
界王拳は、頭で考え、強い意志で気を練り上げ、肉体の限界を力づくで押し広げる「能動的・加算的な技」です。そのため常に激しい消耗と自滅の恐怖が付きまといます。対照的に身勝手の極意は、感情や思考すら完全にシャットアウトし、身体の隅々が勝手に判断して攻撃・回避を行う「受動的・調和的な境地」です。
力を無理やり何倍にも膨らませて敵をねじ伏せる界王拳の時代から、無駄な力みを一切排除して神速の境地へと至る身勝手の極意へ。悟空が歩んできた進化の歴史において、界王拳はその土台となる「気のコントロールの極致」を叩き込んだ最も重要な原点と言えます。