「花魁淵」という名称は正式な行政地名ではなく、地元住民や古参の郷土史家の間で呼ばれてきた通称です。その具体的な場所は、札幌市南区定山渓から小金湯温泉にかけての豊平川渓谷沿い、特に川の流れが淀んで急激に深くなっている「瀞(とろ)」と呼ばれるエリアを指します。
代表的なポイントとされているのが、定山渓温泉の手前に位置する「舞鶴の瀞」周辺や、旧定山渓鉄道の廃線跡付近の渓谷部です。この一帯は切り立った岩壁に囲まれ、川幅が狭まることで水深が数メートル以上に達し、川底には複雑な渦が巻いています。
札幌市中心部からのアクセスは、国道230号線を定山渓・洞爺湖方面へ南下し、車で約45分から1時間ほどの距離です。公共交通機関を利用する場合は、JR札幌駅バスターミナルからじょうてつバス「定山渓温泉行き」に乗車し、「小金湯」または「錦橋」周辺で下車するルートが該当します。
ただし、淵の直近へ降りる公式な遊歩道は整備されておらず、周辺の川岸は傾斜角40度を超える急峻な崖地です。観光客が気軽に立ち寄れるような足場ではなく、不用意に近づくことは極めて危険な地形となっています。