全国大会の舞台において、中学生トップ層の記録は年々ハイレベル化しています。男子の日本中学最高記録は80メートルを大きく超える大投擲がマークされており、女子においても60メートルオーバーの記録が全国トップの指標となっています。軽量な器具でありながらここまでの飛距離が出る理由は、トップ選手たちの卓越したエネルギー伝達能力にあります。
記録保持者や全国大会の上位入賞者に共通しているのは、筋力だけに頼らない「胸郭と股関節の柔軟な分離運動」です。骨盤が投擲方向を向き始めている瞬間にも、胸と肩は後方に残されており、上半身と下半身に強烈な捻転差(Xファクター)が生まれています。このねじれ戻りのスピードが極めて速いため、ターボジャブに加わる加速区間が長くなり、初速が劇的に跳ね上がるのです。
また、トップ選手は器具の飛行特性を完璧に把握しています。ターボジャブは空気抵抗を受けると後部のフィンによって姿勢を整えようとしますが、投出時に槍の先端が左右にブレていると推進力が大きく削がれます。記録を出す選手ほど、リリース時に槍の中心軸を寸分の狂いもなく貫く「芯を食ったスロー」を再現性高く繰り出しています。