「表の顔」である首相官邸と、「裏の権力中枢」である自民党本部。永田町を取材する記者たちの間では、首相がどちらの帽子を深くかぶっているかによって、執務室の空気が一変することが知られています。
過去の首相秘書官や番記者の手記によると、首相官邸の執務室で語られるのは「国家の安全保障」「予算案の編成」「官僚組織の統御」といった公的な課題です。そこには冷徹な事務次官たちとの政策折衝が続きます。しかし、徒歩数分の距離にある自民党本部の総裁室に足を踏み入れた瞬間、話題は「派閥の議席配分」「次の総選挙の公認争い」「党幹事長との水面下の実力行使」といった生々しい政局へとシフトします。
SNSやネット掲示板(知恵袋やXなど)では、「国民投票で直接首相を選べないのはおかしい」「なぜ自民党員だけで日本のトップが決まるのか」という不満や疑問が定期的に炎上します。これに対し、政治学の観点からは「議院内閣制はポピュリズムによる独裁を防ぎ、議会の集団的責任を担保する優れたシステム」と説明されますが、一般有権者の納得感との間には根深い溝が存在するのが実態です。
首相は「全国民の代表」として振る舞いながら、同時に自民党総裁として「党利党略と選挙の勝利」を最優先しなければならない――この二重基準こそが、歴代の長期政権を苦しめ、時に世論調査での支持率急落を招く根本原因となっています。