ネット上の簡易的な解説記事や動画では、「つぶし玉を平ヤットコで限界まで強く潰せば抜けない」と紹介されているケースが散見されますが、これは極めて危険な誤解です。
金属には許容応力があり、過度な力で押し潰すと金属組織が破壊されてクラック(微小なひび割れ)が生じます。その結果、日常のわずかな衝撃でつぶし玉自体が破断してしまいます。さらに、強く押しつぶされた金具の薄いエッジは刃物と同じ状態になり、内部のテグスやコーティングワイヤーの芯線を内側から切断してしまうのです。
「抜けない固定」とは、金具を力で押しつぶすことではなく、適切な折り返しと適度な圧着による摩擦抵抗の最大化によって達成されるという事実を正しく認識してください。
【プロの結論】おすすめできる手法・慎重になるべき加工の判断基準
作品の用途と使用頻度に応じた最適な端処理の選択基準を提示します。
- つぶし玉+ワイヤー固定(推奨):首回りや手首に常に密着するネックレス・ブレスレットなど、摩擦と引っ張り荷重がかかる作品に最適。耐久性が最も高い。
- ボールチップ+つぶし玉(推奨):シードビーズなどの軽量アクセサリーや、金具の露出を最小限に抑えたいフォーマルなデザインに最適。
- テグス1本通しでの単独圧着(非推奨・避けるべき):どのような作品であっても抜け落ちのリスクが極めて高いため、販売用・日常使い用を問わず採用すべきではありません。