パニラニの物語を語る上で欠かせないのが、オーナーである塚本亮子氏の存在だ。かつて日本全国、そして海を越えて世界中のパンケーキを食べ歩いた筋金入りのマニアとして知られる彼女。数百もの店を巡るなかで辿り着いた理想郷が、ハワイのローカルダイナーで出会った飾らない日常の味だった。
流行のふわふわスフレ系ではなく、あえてクラシカルなアメリカンスタイルを貫く。重厚感のある焼き色、バターの塩気、シロップを吸い込んでもへたらない力強い生地組織。塚本氏の徹底したこだわりが、沖縄の温暖な空気感と完璧に共鳴した。
単にハワイ料理のレシピを模倣しただけではない。皿の上の温度、ダイナーの空気感、スタッフの快活な笑顔までを含めた「体験」として再構築したからこそ、本物を知る旅人たちの心を掴んで離さない。