制度議論が停滞する間にも、皇室の日常を支える現場の疲弊は確実に進んでいる。宮内庁が抱える最大の頭痛の種は、皇族の高齢化と公務の担い手不足だ。
現行制度下では、女性皇族が民間人と婚姻した場合、皇室典範第12条の規定により皇族の身分を離れなければならない。これにより、国際親善、地方行幸啓、伝統文化の継承など、皇室が担ってきた膨大な公的活動の配分が危機的な水準まで圧迫されている。
女性皇族が結婚後も身分を保持し、公務を継続して担うプランは、実務上の観点から宮内庁内外で現実解として支持を集めつつある。ただし、その配偶者や子どもに皇族の身分を付与するか否かという点については、将来的な女系天皇容認につながるかどうかの防波堤を巡り、法曹界でも意見が真っ二つに分かれている。