かつて巨大バスが横付けされ、高級時計や有名ハイブランドコスメが飛ぶように売れたソウルの明洞。その喧騒は確実に戻ってきたものの、レジに並ぶ人々の手元にあるのは数十万円のバッグではなく、手頃なプライスのシートマスクや小物の袋だ。旅行者の熱量は変わらないが、金銭の使い先が根本から変わっている。
この変化に最も激しく揺さぶられているのが免税品小売業界だ。以前のように大型バスで乗り付けた団体客が免税店を回って一括購入するビジネスモデルは、すでに崩壊しつつある。主要ターミナルや都心部に位置する大型免税店では、空席の目立つ売り場が広がり、売上低迷に苦しむ運営大手が相次いでフロアの改装や撤退を余儀なくされているのが現状だ。