アジア人女性初の文学賞受賞を果たした作家ハン・ガン氏の誕生は、韓国社会に計り知れない誇りと高揚感をもたらした。長年の悲願であったノーベル賞の栄誉を文化・芸術の領域で達成したことは、韓国の文化的成熟度を世界に証明する象徴的な出来事となった。
しかし、その熱狂が一段落した今、人々の視線は再び「自然科学部門における未踏の壁」へと向けられている。物理学、化学、医学生理学の3賞において自国出身の研究者が未だゼロであるという現実は、世界トップレベルの科学技術大国を自負する国民意識にとって小さくない痛点だ。文化的な成功を収めたからこそ、自然科学分野での遅れがより鮮明な対比として浮かび上がっている。