首里城復元プロジェクトにおいて、2026年は特別な節目にあたります。国営沖縄記念公園(首里城地区)の公式工程表および報道発表によると、2022年11月の起工式から始まった正殿再建工事は、骨組みとなる木工事、小屋組の設置を経て、外装の屋根瓦の敷設や赤漆・顔料の塗装工程といった仕上げのフェーズに着実に到達しています。
首里城の再建現場で最も目を引くのは、正殿全体をすっぽりと覆う巨大な「素屋根(すやね)」と呼ばれる仮設構造物です。風雨や紫外線からデリケートな木材・漆を守るこの施設内には、見学者専用の仮設通路やガラス張りの展望デッキが整備されています。現場を訪れると、ヒノキや沖縄県産材のオキナワウラジロガシを巧みに加工する宮大工たちの槌音や、厳格な温度・湿度管理のもとで行われる漆塗りの繊細な手仕事がガラス越しに伝わってきます。
現場を担当する技術者は当時の特番インタビューにおいて、「失われた歴史をただ元に戻すのではなく、先人たちの知恵と現代の最高峰の防災・耐震技術を融合させた、100年先へ受け継ぐ城を建てている」と語っています。事実、今回の復元では2019年の火災の教訓を生かし、ドレンチャー(外部水幕防火設備)や高精度熱感知カメラ、屋内消火栓の増設など、最新鋭の防火システムが構造内部に組み込まれています。