彼女の死後、医療界やメディアでは「患者の自己決定権」と「エビデンスに基づく医療(EBM)」のあり方をめぐって幾度となく議論が交わされた。標準治療を拒絶し代替医療に希望を託す患者に対して、医療従事者はどこまで説得し、どう寄り添うべきなのか。
医療ジャーナリズムの現場でも、有名人の治療拒否を単に「誤った選択」と断じるのではなく、なぜ患者が標準治療に恐怖を抱き、民間療法へと傾倒してしまうのかという心理的・社会的構造が掘り下げられるようになった。川島さんの選択は、医療技術の進歩だけでは埋められない「患者の心のケア」や「生きがいの尊重」という重い課題を、今も医療現場に投げかけ続けている。