糖原性アミノ酸の仕組みと覚え方|ケトン原性との違いや筋分解の真実

糖原性アミノ酸の仕組みと覚え方|ケトン原性との違いや筋分解の真実

糖原性アミノ酸の仕組みと覚え方|ケトン原性との違いや筋分解の真実に関する最新のニュースを分かりやすく解説します。最新情報を求める方は必見です。

生化学において「糖新生」とは、炭水化物以外の基質(乳酸、グリセロール、糖原性アミノ酸)からグルコースを再合成する代謝カスケードを指す。この舞台となる主役臓器は肝臓(約90%)と腎臓皮質(約10%)だ。

糖原性アミノ酸からブドウ糖を生み出す出発点は、まず各アミノ酸固有の代謝経路を経て「ピルビン酸」または「クエン酸回路の中間体」へと変換されることにある。代表的な経路を俯瞰すると、以下の2大ルートが圧倒的な流量を誇る。

第一のルートは、ピルビン酸への直接変換だ。代表格はアラニンである。アラニンはアミノ基転移酵素(ALT)の作用によって、α-ケトグルタル酸にアミノ基を渡し、自身は瞬時にピルビン酸へと姿を変える。グリシン、セリン、システインもこのピルビン酸合流組だ。生成されたピルビン酸はミトコンドリア内へ輸送され、ピルビン酸カルボキシラーゼによって炭酸固定を受け、直接オキサロ酢酸へと変換される。

第二のルートは、クエン酸回路(TCAサイクル)の中間代謝産物への流入だ。グルタミン酸は脱アミノ化されてα-ケトグルタル酸となり、バリンやメチオニンはプロピオニルCoAを経てスクシニルCoAへ、フェニルアラニンやチロシンはフマル酸へと変換される。これらの分子はクエン酸回路の回転に伴って、すべて最終的にオキサロ酢酸へと収束する。

ここからが糖新生の核心である。ミトコンドリア内で作られたオキサロ酢酸は、そのままでは内膜を通過できないため、一度リンゴ酸へと還元されて細胞質へと脱出する(リンゴ酸シャトル)。細胞質で再びオキサロ酢酸へと戻された後、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)の働きによって高エネルギー化合物のホスホエノールピルビン酸(PEP)へと変換される。

その後、解糖系の逆反応を駆け上がり、最終関門である小胞体膜上のグルコース-6-ホスファターゼによってリン酸基が外され、遊離のグルコースとして血液中へと放出される。この複雑怪奇な分子リレーが24時間休むことなく稼働しているからこそ、脳や赤血球といったグルコース依存度の高い組織が活動を維持できるのだ。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。