手作りカスタードを取り扱う上で、最も注意しなければならないのが衛生管理と日持ち・賞味期限の問題です。カスタードは水分活性が高く、卵と牛乳という細菌にとって最高の栄養素が揃っているため、洋菓子の中で最も傷みやすいクリームのひとつです。
出来上がった熱々のカスタードを室温でゆっくり冷ますのは非常に危険です。細菌が最も繁殖しやすい30〜40℃の温度帯を素早く通過させるため、炊き上がったらすぐにバット等に広げ、表面に密着するようにラップを貼り、氷水に当てて急速冷却してください。冷蔵保存した場合の安全な賞味期限は「当日中〜最長でも翌日中」までです。
また、ネット上で散見される「カスタードクリームは冷凍保存できる」という情報には大きな落とし穴があります。カスタードをそのまま冷凍して解凍すると、デンプンが老化(離水)してスポンジ状のボソボソした質感になり、元の滑らかなクリームには戻りません。どうしても冷凍保存したい場合は、解凍後に激しく泡立て直すか、泡立てた生クリームを混ぜて「ディプロマットクリーム」にしてから冷凍するなど、構造的な工夫が必要不可欠です。