ガラス管をバーナーの炎にかざし、秒単位の判断で息を吹き込みながら曲げていく。一見すると簡単そうに見えるこの工程には、最低でも数年の修業が必要だ。日本国内では長らく職人の高齢化が進み、事業承継の壁にぶち当たっていた。数年前までは「あと10年で国内の職人は絶滅する」とさえ囁かれていた工房の現場に、いま異変が起きている。
2026年現在、全国の数少ない工房には、美大出身者や異業種からの転職を希望する20代〜30代の若者が殺到しているという。大量生産のプロダクトに飽きた若手クリエイターたちが、アナログな手技の極みであるこの世界に可能性を見出しているのだ。途絶えかけた技術は、若い感性と融合することで、現代アートやインテリアの領域へと活躍の場を急速に広げている。