1960年代、熱気あふれる関西の笑いを全国区へと押し上げた伝説の番組があった。朝日放送テレビ(当時は朝日放送)が制作した大ヒット爆笑時代劇『てなもんや三度笠』だ。吉本興業の舞台で鍛え上げられた若き才能が集結するなか、蛇口とらじろう役として登場した彼は、一躍脚光を浴びることになる。
「許してチョーダイ!」「キビシーっ!」といった破天荒なフレーズと、全身をしなやかに躍動させる予測不能なアクション。単なるお笑いにとどまらない、狂気すら感じさせる表現力は、日本のコメディの歴史に大きな転換点をもたらした。観客の度肝を抜くパフォーマンスの裏には、緻密に計算された間と、血の滲むような発声のトレーニングがあったという。