1990年代後半、伝説的なダンス&ボーカルグループとして社会現象を巻き起こしたSPEED。四人の少女たちが駆け抜けたあの狂騒から四半世紀以上が経過し、それぞれの道は決定的なまでに分岐した。
政界へ進出し国会議員としてのキャリアを重ねる今井絵理子、ソロアーティストとして実直に音楽活動を継続する島袋寛子。各メンバーが独自のポジションを築くなかで、上原との関係性は極めてデリケートな状態を保っている。公の場で互いに言及することは極端に減った。だが、かつて寝食を共にして頂点を極めた絆が完全に断ち切られたわけではない。一定の距離を保ちつつも、人生の節目では静かに連絡を取り合っているとされる。それぞれが背負った看板の重みが、かつての仲間たちに沈黙という名の配慮を選ばせている。