一方、実際の日本人の語感はどう変化しているのだろうか。文化庁が実施した国語に関する世論調査の関連データを紐解くと、興味深い実態が見えてくる。若年層を中心に、「悪」の反対語として「正義」を挙げる割合が年々増加傾向にあるのだ。
アニメやゲームの影響も大きいとされるが、社会全体の「正しいか・間違っているか」という正義論への関心の高まりも背景にある。道徳的な「善」という概念がやや抽象的に感じられる現代において、より具体的で行動を伴う「正義」や「善行」という言葉の方が、人々の実感に寄り添っているのかもしれない。