1999年から総監督・指揮を務める佐渡裕氏は、名指揮者レナード・バーンスタインの愛弟子として知られ、この巨大な市民イベントの精神的支柱であり続けています。佐渡氏がリハーサル初日の全体練習で毎回投げかける言葉には、深い教育的示唆が含まれています。「上手く歌おうとしなくていい。隣の人の声を聴き、自分の呼吸を1万人の呼吸に委ねてください」。この言葉が、緊張で強張っていた参加者たちの心を一気に解き放ちます。
特筆すべきは、クラシック音楽の純粋性を守りつつも、第一線で活躍するポップス系アーティストや文化人を招く「第1部」のプログラム構成です。歴代ゲストの顔ぶれは、布施明、平原綾香、槇原敬之、CHEMISTRY、EXILE TAKAHIRO、MISIA、さらに俳優の田中圭や芸人の粗品に至るまで、極めて多彩です。ジャンルの垣根を取り払ったコラボレーションは、クラシックに馴染みの薄い若い世代や家族層を惹きつける強力な触媒となっています。
このステージの熱気は、会場内だけに留まりません。MBS(毎日放送)が制作する特別番組は、単なるコンサート中継ではなく、参加者たちの数カ月にわたる苦悩と成長を追った濃密なドキュメンタリーとして長年放送されてきました。2026年最新の特番放送日についても、12月下旬の年末特番枠としてTBS系列全国ネットでオンエアされる予定です。画面越しに伝わる涙と歓喜の表情が、翌年の新たな参加者を呼び寄せる好循環を生み出しています。