物語の中盤から後半にかけて最大の焦点となったのは、三田灯がなぜこれほどまでに心を閉ざし、笑顔を喪失してしまったのかという「過去のトラウマ」の真相でした。第8話において、彼女自身の口から語られた告白は、視聴者を絶句させる凄惨なものでした。
彼女は幼少期から、自らの美貌と周囲の身勝手な愛憎によって過酷な運命を背負わされていました。父を溺死事故で失った後、実母からは「お前が生まれなければ」と責められ、結婚して最愛の夫と息子を授かった後も、彼女に偏執的な執着を抱いたストーカーの放火によって、愛する夫と我が子を生きたまま焼き殺されてしまったのです。さらに追い討ちをかけたのは、義理の家族や実母からの「お前が笑うから男を狂わせた」「お前が生きている限り、周りが不幸になる。二度と笑うな」という呪詛の言葉でした。この呪縛によって、彼女は自らの感情を殺し、死んだように生きるロボットと化していたのです。
母の不倫自殺によって崩壊していた阿須田家は、ミタの極端な行動に振り回されながらも、次第に本音をぶつけ合い、家族としての絆を取り戻していきます。最終回(ネタバレを含む)では、阿須田家の面々がミタを救うために「家族」として彼女を迎え入れようと試みます。最後の別れの朝、父親の恵一と4人の子供たちが「三田さん、笑ってください」と涙ながらに懇願した瞬間、三田灯は初めてぎこちなく、しかしどこまでも慈愛に満ちた笑顔を浮かべ、「承知しました」と告げて旅立ちました。それは、彼女が過去の呪縛から解き放たれ、ひとりの人間として再生した瞬間でした。