歌詞の文学性に加えて、音楽的アプローチの巧みさも本作の大きな魅力です。「愛のレンタル ギターコード 弾き語り」という検索需要が絶えないことからも分かる通り、多くのアマチュアミュージシャンやファンがアコースティックギターを手にこの曲をカバーしています。
はっとりは洗足学園音楽大学のロック&ポップスコース出身であり、卓越した音楽理論の素養を持っています。「愛のレンタル」のコード進行にもその技術が存分に活かされており、単純なスリーコードでは終わらない浮遊感と切なさが緻密に計算されています。
楽曲の随所に織り交ぜられるメジャーセブンス(M7)やテンションコード、そして巧みな分数コード(オンコード)のベースラインが、主人公の定まらない心境や揺らぎをそのままコード進行として再現しています。弾き語りでポロポロと爪弾くだけで自然と胸が詰まるような哀愁が立ち上るのは、言葉の響きと和音の色彩が完璧にシンクロしているからです。ギター初心者にとっても、基本コードから一歩進んだエモーショナルなコード感を学ぶ絶好の教材となっています。