太宰府天満宮の参道が普段以上の熱気に包まれる特別な日が、月に2回巡ってきます。それが、通常の白い梅ヶ枝餅とは異なる特別な素材を練り込んだ限定餅が販売される日です。この日を狙って全国からリピーターが押し寄せるため、参道は朝から異様な活気を見せます。
最も有名なのが、毎月25日限定の「よもぎ入り梅ヶ枝餅」です。この25日という日付は、太宰府天満宮の御祭神である菅原道真公の誕生日(845年6月25日)と命日(903年2月25日)に由来しており、天神信仰において極めて神聖な「天神さまの日」とされています。この日、参道の全店舗で一斉に焼き上げられる緑色の梅ヶ枝餅は、天然のよもぎがふんだんに練り込まれており、一口かじった瞬間に鼻腔を抜ける爽やかな草の香りと、小豆餡の豊かな甘みが見事な調和を生み出します。
一方、近年定着して大きな注目を集めているのが、毎月17日限定の「古代米入り梅ヶ枝餅」です。17日という日付は、道真公が無実の罪で太宰府へと左遷された日(901年1月17日)にちなんでいます。九州国立博物館の開館を記念して誕生したこの限定餅には、太宰府周辺で栽培された黒米(古代米)が生地にブレンドされており、淡い紫色を帯びた独特の美しさを放ちます。噛みしめると古代米特有のプチプチとした香ばしい食感があり、白餅やよもぎとは一線を画す奥深い滋味が口いっぱいに広がります。
現地取材班が確認したところ、25日および17日の昼前後には「かさの家」などの主要店で30分から1時間近い待機列が発生することも珍しくありません。限定餅を確実に、かつスムーズに手に入れるためには、混雑のピークである午前11時から午後2時を避け、開店直後の午前9時台か、夕方の落ち着いた時間帯を狙うのが鉄則です。