鉛筆の芯に鉛はゼロ?成分の真実と刺さった時の危険性を徹底解明

鉛筆の芯に鉛はゼロ?成分の真実と刺さった時の危険性を徹底解明

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一本の鉛筆の芯が完成するまでには、熟練の技術と精密な工業プロセスが注ぎ込まれています。日本の文具産業を牽引する三菱鉛筆の芯の製造工程やトンボ鉛筆の公式資料を紐解くと、まるで半導体やファインセラミックスの製造現場のような緻密さが確認できます。

製造の第一工程は、厳選された天然黒鉛と粘土の微粒子粉砕から始まります。粒子をミクロン単位まで細かく均一化させた後、水を加えて強力に練り合わせます。この混練工程の徹底度合いが、書いたときの「引っかかり」をなくす決定打となります。

次に、練り上がった粘土状の塊を「ダイス」と呼ばれる微小なノズル穴から油圧プレスで一本の長い素麺のように押し出し成形します。この段階ではまだ芯は柔らかく、手で簡単に曲がってしまいます。成形された芯を一定の長さに切断し、十分に乾燥させた後、密閉された電気炉の中で約1,000℃〜1,100℃の超高温でじっくりと焼き上げます。この焼成によって粘土が陶器のように硬化し、強固なセラミック骨格が形成されます。

しかし、焼き上がった直後の芯は乾いた土器と同じで、紙の上を走らせるとザラザラして滑らかさが足りません。そこで行われるのが、最終工程である「油漬(ゆづけ)処理」です。焼き固められた芯には目に見えない無数のミクロの隙間が空いており、これをスピンドル油などの植物油・鉱物油の油槽に長時間浸漬させ、芯の芯部まで油を浸透させます。この油分が筆記時の潤滑油の役目を果たすことで、紙に吸い付くようなあの滑らかな書き心地が実現するのです。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。