緑深い木立のなかに佇む英国風カントリー調の建物に足を踏み入れると、そこには温もりあふれるクラシカルな世界が広がっています。「テディベアの家」をコンセプトに設計された館内には、世界各地から収集された約500体ものテディベアが息づいています。施設関係者によると、単なる玩具の陳列ではなく、「作り手の愛情や持ち主の人生の記憶が宿る芸術品」としての展示設計が貫かれている点が、来館者の心を捉える最大の要因となっています。
特に1階の常設展示エリアには、テディベア史を語る上で欠かせないドイツ・シュタイフ社が1910年頃に製作した希少なアンティークベアや、イギリスのチャドバリー社による1940年頃の歴史的ピースなど、世界的な文化遺産とも呼べる名品が並びます。アンティークトイ特有の風合いや微細な表情の違いを間近で観察できる空間構成は、愛好家のみならず美術品鑑賞を好む大人からも高い評価を獲得しています。
可愛らしさの演出にとどまらず、テディベアという文化が歩んできた1世紀以上の歴史的文脈を丁寧に編み直している点こそ、本館が観光地の単なるキャラクター施設と一線を画している本質的な理由といえます。