レナと魅音を殺害した圭一はパニック状態で村を逃走し、雨の降る公衆電話から大石刑事に事件の報告と遺言を残します。そのメッセージの中で「自分もオヤシロさまに祟られて殺される」と怯えながら告げた直後、首を激しく掻きむしり、富竹ジロウと全く同じ態様で非業の死を遂げました。これがひぐらし鬼隠し編の結末です。
この凄惨な結末を深く読み解く上で欠かせないのが、解答編にあたる「罪滅し編」との違いです。罪滅し編では立場が逆転し、今度はレナが雛見沢症候群に侵されて疑心暗鬼に陥り、孤立していきます。しかし、その過程で圭一は「鬼隠し編で自分が犯した取り返しのつかない過ち」を並行世界の記憶として奇跡的に思い出すのです。
「仲間が自分を裏切ったのではなく、自分が仲間を信じられなかったのだ」と悟った圭一は、狂気に囚われたレナを決して見捨てず、命懸けで受け止めます。鬼隠し編が「疑心暗鬼が生んだ破滅の物語」であるのに対し、罪滅し編は「信じる勇気が運命を打ち破る救済の物語」として美しく対比されています。鬼隠し編の過酷な絶望があったからこそ、その後のシリーズ全体を貫く「絆と信頼」のテーマが圧倒的な説得力を持つに至ったと言えます。