定期テストや大学入試の敬語法問題で最も出題されるのが、「給へ」という文字列の活用形を答えさせる問題です。活用表を見れば分かる通り、「給へ」には複数の可能性が存在します。
・四段活用の「已然形」または「命令形」
・下二段活用の「未然形」「連用形」「命令形」
この識別を正確に行うためには、「給へ」の直後に続く言葉と文構造に注目する必要があります。
1. 直後に「ど・ども・ば」がある場合
接続助詞の「ど・ども(逆接)」や「ば(順接確定条件)」が付いている場合、直前は已然形です。主語が高貴な人物であれば「四段活用の已然形」と判断します。
(例:立ち返り給へば……=お戻りになると……)
2. 文末で相手に行動を促している場合
会話の終わりなどで命令・要望のニュアンスを持つ場合、「四段活用の命令形」となります。現代語の「〜してください」「〜なさい」にあたる丁寧な命令表現です。
(例:これを見給へ。=これをご覧なさい/これを見てください。)
3. 直後に過去の助動詞「き・けり」や打消の「ず」がある場合
会話文の中で「思ひ給へき」「聞き給へず」のように、連用形接続の助動詞(き・けり)や未然形接続の助動詞(ず)と結びついている場合は、「下二段活用」です。四段活用であれば「思ひ給ひき」「思ひ給はず」となるはずの箇所が「給へ」になっているため、下二段の未然形・連用形だと特定できます。