対人恐怖症でやってはいけないNg行動|無理な克服が悪化を招く理由

対人恐怖症でやってはいけないNg行動|無理な克服が悪化を招く理由

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対人恐怖症のなかでも、特に相談件数が多く苦痛が強いのが「視線恐怖症」です。視線恐怖には、他人の視線が怖くてたまらない「他者視線恐怖」、自分の視線が相手を不快にさせていると思い込む「自己視線恐怖(脇見恐怖を含む)」、相手の目を正視できない「正視恐怖」などの類型が存在します。

当事者の手記や臨床カウンセリングの現場では、次のような生々しい告白が共通して語られます。

「職場で隣の席の人が視界に入るだけで、自分の視線が相手を威嚇しているのではないかとパニックになり、業務に全く集中できなくなる」(30代・IT企業勤務)
「電車の座席で向かいに座る人の目が怖く、サングラスをかけ続けた結果、今度は『不審者と思われているのではないか』と別の不安に押しつぶされた」(20代・学生)

こうした視線恐怖に対して「無理やり相手の眉間や目を見つめ続ける」という指導がネット上で散見されますが、これは典型的な誤りです。強迫的に視線を固定しようとすると表情筋がこわばり、不自然な威圧感を生んでしまいます。

実践的な視線恐怖症の治し方としては、視野全体をぼんやり広げて捉える「ソフトフォーカス(周辺視野の活用)」の習得や、目の前の作業対象・風景の色や形に意図的に注意を向けるアテンション・トレーニングが有効です。「視線をどこに向けるか」に執着するのをやめ、注意の焦点を自己の身体から外側の作業へ移動させる練習が回復への最短距離となります。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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