カクテルカルチャーのグローバル化が進む中、大阪の夜の表情はここ数年で大きな変容を遂げた。かつてオーセンティックバーといえば東京・銀座の独壇場と見なされがちだったが、現在のトレンドを牽引しているのは間違いなく関西の自由でアヴァンギャルドな感性だ。中でも秘密基地のような隠れ家感を楽しむ「スピークイージー」様式は、観光客向けの派手なエンターテインメントとは一線を画す質の高い夜の選択肢として定着した。
ナイトタイムエコノミーの活性化が叫ばれて久しいが、本当に人を引きつけるのは大規模なイルミネーションや商業施設ではない。文化の深みに直接触れられる密室空間だ。路地裏の雑居ビルというローカルな文脈をそのまま価値に変えたアプローチは、アジア各国の都市バーシーンにとっても大きなモデルケースとなっている。