キン肉マンの牛丼は吉野家かなか卯か?確執の真相と和解の歴史を解説

キン肉マンの牛丼は吉野家かなか卯か?確執の真相と和解の歴史を解説

キン肉マンの牛丼は吉野家かなか卯か?確執の真相と和解の歴史を解説とは一体何なのか? 背景や要点を簡潔に解説します。

長年ファンに愛されてきた「吉野家×キン肉マン」の物語ですが、2008年にインターネット上を激震させる決定的な亀裂が表面化します。いわゆる「吉野家確執騒動」です。

発端は、作品生誕29周年という記念すべき「肉(29)イヤー」を迎えたことでした。集英社および原作者サイドは、記念すべきこの年に、作品を支え続けてくれた吉野家との公式コラボレーションを企画。長年の「無償の愛」がついに公認のパートナーシップとして結実するものと、誰もが期待を寄せていました。

しかし、当時の吉野家の広報担当者や一部上層部から返ってきた対応は、あまりにも冷淡で信じがたいものでした。関係者の証言や当時の報道、そして嶋田氏自身が後に明かしたところによると、吉野家側からは次のような趣旨の言葉が突きつけられたとされています。

「頼んだ覚えはない」
「うちの名前を使って勝手に売れただけではないか」

さらに追い打ちをかけたのが、バラエティ番組『トリビアの泉』の企画を巡る内情でした。同番組内で吉野家からゆでたまご氏へ「特製の名前入り名入れ丼」が贈呈される一幕があり、表向きは美談として放送されました。しかし実際には、無償の寄贈ではなく制作側が費用を負担して製作させたものであったことや、店舗でその丼を提示しても「使えません」と現場スタッフから冷たく拒絶されたエピソードなどが明らかになります。

赤貧時代から30年近く、見返りも求めず吉野家を宣伝し、倒産の危機にあっても作中で旗を振り続けた嶋田氏にとって、この仕打ちは筆舌に尽くしがたい屈辱と悲嘆をもたらしました。嶋田氏はブログやSNS上でその深い悲痛を吐露。ファンコミュニティは怒りに包まれ、ネット上では吉野家に対する猛烈な批判と不買を叫ぶ声が巻き起こりました。

この危機的状況に名乗りを上げたのが、ゼンショーが展開する「すき家」でした。すき家側はゆでたまご氏の功績に最大の敬意を払い、29周年の公式パートナーとして即座に大型タイアップを快諾。嶋田氏に世界に一つだけの特製どんぶりを丁重に贈呈するなど、傷心の作家を温かく迎え入れました。これが、2008年の「すき家×キン肉マン」コラボレーションの舞台裏に隠された真相です。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。