冠婚葬祭の現場や公的書類の受付窓口では、「寿」と「壽」のどちらを使うべきかについて日々さまざまな疑問が寄せられています。実際の運用ルールと実態を比較検証しました。
儀礼空間におけるご祝儀袋の壽については、市販の祝儀袋にあらかじめ印刷されている短冊を使用する場合、金箔押しなどで「壽」と書かれているものが多く見受けられます。手書きで贈る際、筆ペンで「寿」と書いたからといって礼を失することはありませんが、「壽」を端正に毛筆で仕上げることで、相手への敬意と特別感をより強く演出できます。
一方、戸籍の旧字体を本名に持つ人々からは、「銀行口座やクレジットカードの作成時に文字が通らない」「オンライン申請で弾かれる」といった実務上の悩みがSNSや行政相談窓口で散見されます。法務省の通達により、戸籍に「壽」が記載されている場合であっても、日常のサインや契約書類で新字体の「寿」を使用することは有効と認められています。デジタル手続きの円滑化を図るため、市区町村役場への申し出により本名を新字体の「寿」へ正字化(更正)する手続きを選ぶ市民も少なくありません。