神野桜子は、極貧の幼少期ゆえに「女の武器を最大限に使い、大金持ちの男と結婚すること」だけを人生の目的に掲げていた。彼女にとって恋愛はビジネスであり、男は資産価値で測る対象に過ぎなかった。東十条司という完璧な資産家との結婚式を目前に控えながら、彼女の心は揺れ動く。
最終回で描かれたのは、彼女が築き上げてきた「完璧な人生設計」の崩壊プロセスだ。すべてを手に入れたはずの彼女が、何もないはずの欧介に惹かれていく。この矛盾こそが、物語の最大の推進力だった。地位も名誉も、そしてあれほど執着した「お金」さえも手放し、ただ一人の男を追いかけてアメリカへと飛び立つ決断。そのカタルシスが、四半世紀経った今も色褪せない。