全国各地の店舗で平日・休日を問わず満席が相次ぐ背景には、従来のファミレスチェーンとは根本的に異なる「空間体験(ユーザーエクスペリエンス)」へのこだわりが存在します。公式Instagram(@mmcoffee.jp/フォロワー約4.6万人)でも掲げられているブランドコンセプト「ALL DAY LIVING(ゆとりの癒し空間)」は、単なるスローガンにとどまりません。
すかいらーくグループが運営する同店に足を踏み入れると、まず感じるのは心地よい木の香りと、広々とした座席レイアウトです。東京都三鷹市に位置する三鷹牟礼店をはじめとする各店舗では、座り心地を極限まで追求した特注ソファー席が惜しみなく配置されています。テーブル間の間隔も贅沢に確保されており、隣席の視線や話し声が気になりにくいプライベート性の高い設計が施されています。
都市社会学が提唱する「サードプレイス(自宅でも職場でもない第3の居場所)」の概念において、従来の低価格ファミレスは回転率を最優先した「慌ただしい消費の場」になりがちでした。これに対してむさしの森珈琲は、客単価をやや高めに設定しつつも滞在時間そのものの価値を最大化する戦略を採用しています。ゆったり読書にふけるシニア層、会話を楽しむ主婦グループ、PC作業に集中するビジネスパーソンが同一空間で自然に共存できている点こそ、連日客足が途絶えない最大の要因です。