世界各地の食文化を柔軟に取り込み、独自の文脈へと仕立て直す日本のカフェ文化において、パフェは特異な進化を遂げた。大正から昭和初期の喫茶店で「ハイカラ」の象徴としてもてはやされたフルーツパフェは、時代を経て純喫茶のノスタルジックなアイコンとなった。銀の脚付きグラスに缶詰のミカンと真っ赤なシロップ漬けチェリーが乗る姿は、今なお人々の郷愁を誘う。
そして近年、北海道・札幌を発信地として全国へ広がった「締めパフェ(夜パフェ)」のカルチャーは、デザートの常識を鮮やかに塗り替えた。酒を飲んだ後の締めくくりとして、甘さを抑えたソルベ、ハーブのジュレ、スパイスを効かせた大人のパフェを深夜に楽しむ。こうした独自の消費行動は、海外からのインバウンド旅行者をも魅了する日本発の文化スタイルとして定着している。