原作者である原泰久も、大沢の演技には言葉を失ったという。漫画のキャラクターが現実世界に飛び出してきたかのような錯覚。いや、それ以上かもしれない。大沢の王騎は、原作の枠を超えて、キャラクターに新たな「血の通った人間としての深み」を与えた。
特に『大将軍の帰還』における宿敵・龐煖(ほうけん)との死闘、そして信(しん)に矛を託す最期のシーン。そこには、単なるアクション映画の枠に収まらない、世代交代の重厚な人間ドラマがあった。大沢の瞳に宿る静かな光が、若き主人公たち、そして観客全員の心を揺さぶったのだ。