この楽曲を語る上で欠かせないのが、一度聴いたら忘れられないインパクトを持つおしりを出した子一等賞 意味の解釈です。現代の感覚からすると「なぜお尻を出すことが一等賞なのか」「何か別の隠喩があるのではないか」と疑問を抱く若い世代も少なくありません。
当時の児童心理や昭和の子ども文化の記録を紐解くと、このフレーズは鬼ごっこやかくれんぼに夢中になり、着ている服が乱れることも構わずに遊び倒す子どもたちの「天真爛漫さ」を讃えた表現であることがわかります。頭を隠して尻を隠さず、慌てて木の陰や物陰に飛び込んでお尻が丸見えになってしまっている滑稽な姿。勝敗やルールを超えて、全身全霊で遊びに没頭した子どもを「一番ユーモラスで愛らしい」として笑い合う、大らかな昭和の地域の眼差しがそこにあります。
さらににんげんっていいな 歌詞を読み解くと、視点が「人間」ではなく「森の動物(くまの子)」に置かれている構造が際立ちます。童謡『夕焼け小焼けでまた明日』に代表されるような日本の夕暮れの情景のなか、日が沈めばあたたかい家と家族が待っている人間の暮らし。おいしいおやつ、湯気の立つほかほかごはん、そして背中を流し合うあったかいお風呂。冬眠を前にした森の動物が、人間の子どもたちの帰るべき「無条件の居場所」を無垢な憧れとともに見つめているのです。