旅行や推し活の遠征時に持ち出そうとして、空港の保安検査場で手荷物を開けられ、その場で放棄処分を迫られるトラブルが後を絶ちません。この問題の背景には、国土交通省航空局および国際民間航空機関(ICAO)が定める危険物輸送規則の厳格化があります。
ヘアアイロンのような電熱器具は、カバンの中で意図せずスイッチが入った場合、過熱により周囲の荷物を発火させる重大な事故リスクを孕んでいます。航空法上、充電式(リチウムイオンバッテリー内蔵)ヘアアイロンは以下のように明確な区分が設けられています。
「バッテリーが本体から完全に抜き取れる構造」の製品であれば、取り外したバッテリー本体を手荷物として客室内に持ち込み、空になったアイロン本体を受託手荷物または機内手荷物にすることで搭乗が認められます。しかし、「バッテリーが内蔵一体型で取り外せない構造」の製品は、機内への持ち込みもスーツケースに入れて預けることも一切禁止と定められています。
「普段使っているモバイルバッテリーは機内に持ち込めるのだから、ヘアアイロンも手荷物なら大丈夫だろう」という認識のズレが悲劇を生みます。チェックインカウンターや保安検査場で没収・廃棄の手続きを取らざるを得なくなった旅行者の嘆きはSNS上でも日常茶飯事です。飛行機移動を前提とするならば、バッテリー着脱式か、あるいは機内持ち込み基準を満たす専用フライトプラグ・安全遮断機構を備えた特定機種を選択することが不可欠です。