本作の爆発的ヒットを牽引した最大の原動力は、制作スタジオ・ufotableが注ぎ込んだ超次元の映像美と音響設計にあります。
デジタル作画と3DCGが紡ぎ出す戦闘描写の極致
ufotableは社内に美術部、デジタル映像部、CG部を併設しており、従来のアニメ制作で発生しがちな部門間の連携ロスを徹底的に排除しています。炭治郎の「ヒノカミ神楽」や我妻善逸の「霹靂一閃」、さらには宇髄天元の「譜面」完成時の戦闘シーンに見られるように、伝統的な浮世絵調の筆致と最新の3DCGカメラワークが高次元で融合しています。これによって生み出される疾走感と重厚感は、国内外の映像クリエイターからも絶賛を集めました。
物語を彩る歴代主題歌と劇伴の力
音楽面における戦略性も『鬼滅の刃』を語る上で欠かせません。LiSAによる立志編OP「紅蓮華」、劇場版「無限列車編」主題歌「炎」はストリーミング累計再生数で前人未到の記録を打ち立て、日本レコード大賞を受賞しました。続く遊郭編ではAimerが「残響散歌」「朝が来る」で華やかながら切ない花街の影を歌い上げ、刀鍛冶の里編ではMAN WITH A MISSION×miletが「絆ノ奇跡」「コイコガレ」で異色のコラボレーションを披露。そして柱稽古編ではMY FIRST STORY×HYDEによる「夢幻」「永久 -トコシエ-」が、無惨との決戦を控えた緊張感を激しいロックサウンドで表現しました。
加えて、椎名豪氏と梶浦由記氏による壮大な劇伴は、各キャラクターの心理や戦闘の局面に応じた専用テーマ(フィルムスコアリング)を多用しており、視聴者の感情を極限まで揺さぶる演出が徹底されています。
声優陣(キャスト)が吹き込む凄まじい魂の叫び
主人公・竈門炭治郎を演じる花江夏樹をはじめ、鬼頭明里(禰豆子)、下野紘(善逸)、松岡禎丞(伊之助)らの鬼気迫る演技は、過酷な運命に抗う人間の脆さと強さを浮き彫りにしました。特筆すべきは鬼殺隊の最高戦力である「柱」を演じるキャスト陣(櫻井孝宏、小西克幸、早見沙織、日野聡、松岡禎丞、鈴村健一、関智一、杉田智和、河西健吾、花澤香菜)や、宿敵・鬼舞辻無惨役の関俊彦をはじめとする上弦の鬼役の豪華声優陣です。オーディションや配役の段階からキャラクターの威厳と狂気が計算し尽くされており、掛け合いの一瞬一瞬が劇場用長編映画に匹敵する緊張感を醸成しています。