昭和から平成にかけての言論界では、「大衆文化に迎合するミーハー=教養のない軽薄な大衆」という厳しい批判がまかり通っていました。しかし、2026年現在の情報環境において、この視点はもはや時代遅れと言わざるを得ません。
最大の盲点は、「1つの分野を深掘りすることだけが高尚である」という固定観念です。タイパ(タイムパフォーマンス)が重視され、可処分時間の奪い合いが激化する現代において、全ジャンルの専門知識を身につけることは物理的に不可能です。むしろ、専門領域に閉じこもることなく、時代の熱量を横断的に嗅ぎ取る「水平方向の好奇心」こそが、新規事業の着想や柔軟な組織コミュニケーションを生み出す源泉となっています。
ネット掲示板やSNSで批判される原因を精査すると、叩かれている本質は「流行を追う行為」そのものではありません。「流行に乗っていることを傘に着て他人を見下すマウント行為」や「詳しくもないのに専門家ぶる不誠実さ」こそが忌避されているのです。自らのミーハー気質を朗らかに認めている人物に対して、ネット社会も決して冷淡ではありません。