天神地区の各所でクレーンが立ち並び、次世代型ビルが次々と姿を現すなか、SNSや掲示板では「博多大丸も近いうちに大規模な建て替えに入るのではないか」「商業勢力図の変化で苦戦しているのでは」といった憶測が散見されます。しかし、J.フロント リテイリングの最新公表データおよび博多大丸の営業実績を詳細に調査すると、実態は全く逆であることが判明しました。
天神北側や明治通り沿いで大型開発が先行する一方、博多大丸が位置する天神一丁目は、地下鉄七隈線天神南駅の延伸定着によって「博多駅直結の南の玄関口」としてのポテンシャルが飛躍的に高まりました。運営元が選択したのは、一時休業を伴う全面建て替えではなく、「本館の歴史的価値と東館エルガーラの高級感を最大限に引き出す戦略的リモデル」です。
館内を歩けば一目瞭然ですが、フロアの随所で通路幅の拡張や照明デザインの刷新、顧客専用ラウンジの新設が行われています。「古き良き百貨店」の落ち着きを保ちながら、中身は徹底して現代の高感度な都市型百貨店へとアップデートされています。噂の真相は、衰退などではなく「天神南エリアの核として、よりラグジュアリーかつ地域密着型へと舵を切った大胆な機能強化」だったのです。